花農家さん堆肥導入圃場の経過

3月末に乳酸菌、廃菌床、牛フン、馬フン、茶粕、コーヒー粕、アミノ酸、光合成細菌を混ぜた堆肥を、トルコキキョウの栽培圃場に入れてから約1ヵ月が経ちました。

【堆肥を入れる前の2.5aの圃場】
歩いてもカチカチでひび割れもある

【堆肥500kgを入れた後の2.5aの圃場】
歩くと沈む感じでふかふか。足跡もしっかりつく

あきらかに違う土壌になっていました。
農業関係組合の方々が訪問に来た時も、同じハウスで手前の2.5aと奥の2.5aの土壌の違いに驚いていたそうです。
この後は、芽が出てきたのでミネラルを最低3回散布してもらいます。手間ではありますが、地力が良い状態でミネラルを植物の維管束へ吸収させることで、抗酸化力を強化し病原菌を酸化させ樹勢の回復に繋げます。
元気に育ち、収量があがりますように。

ここで今回導入した堆肥についてご紹介したいと思います。
牛フン、馬フン、茶粕、コーヒー粕、廃菌床、乳酸菌、光合成細菌、アミノ酸を混ぜた物になります。

東京農大の「全国土の会」後藤名誉教授に堆肥分析をしてもらった結果

Ph 7.5/EC 2.27/リン酸 5.40/加里 7.61/石灰 19.9/苦土 3.13/アンモニア態窒素 0.02/硝酸態窒素 0.33/無機態窒素合計 0.35

※この堆肥を1t/10a 施用した場合の肥料成分量。平山堆肥は全国土の会の会員になっています。

この分析値から以下のようなことが考えられます。
・様々なエネルギーを足してから再発酵させたので短期間(約1ヵ月)でアンモニア態窒素から硝酸態窒素が多くなった。
・菌床、コーヒー粕、茶粕が入っているのでリン酸が高い
・菌床が入っているのでカルシウムが高い(マッシュルームの菌床にはピートモスや石膏が使われています)

コーヒー粕も、茶粕も、廃菌床も単体では肥料成分が低い材料ですが、混ぜ合わせて再発酵させることで肥料成分を含んだとても良い堆肥になることがわかりました。
これらはすべて食品廃棄物、産業廃棄物として出た、いわゆる“ゴミ”と呼ばれる物です。
このまま人口が増加し続け農業生産がさらに拡大すれば、リン資源(リンを豊富に含む岩石からリン酸塩の形で採取される)は、あと100年で枯渇すると言われていますよね。
肥料を大量に投入する農業になり、リン資源の大量消費は土壌侵食の原因にもなっています。河川に流れ込むことによりリン濃度が増すと藻類が大発生し水面を覆うことによって酸素不足で魚が死んでしまう環境汚染にもつながります。
今後はなるべく、リンだけではなく他の肥料成分も農業廃棄物や日々私たちが大量に出している食品廃棄物、産業廃棄物を再利用。土壌診断を行い、足りない分だけ適切に単肥で追加することで食糧生産や環境問題を持続可能にしていくことができるのではないかと考えています。

再利用してもなお、また作物を育てられる力が残っているとは発酵、微生物の力って本当にすごいなと思います。人間は日々直進することが大事だと言われていますが、人間以外の動物や植物は循環する日々を送っています。人間もきっとなるべく自分で手に入れた食材でおいしいご飯を食べ、散歩をして適度に運動をし、ストレス無く寝る。自然の中で循環する時間に生きる事が本来の姿なんじゃないかと思っています。利益を生むには競争しなければいけない、自然を壊し開発しなければいけない。直進しなければ失敗だと勝手に思われる世界からいつか離脱したいと考えています。なかなか難しいことですが。

話はそれましたが、今回紹介したミックス堆肥に興味がある方はぜひご連絡下さい。
お届けに伺える範囲には限りがありますが、お引取りの場合も実際に見たい場合もいつでも大歓迎です。

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