桜の幹の治療

雨の日が続きますが、気温はどんどん温かくなり桜も見頃をむかえていますね。
今回訪れた大田区洗足池公園もほぼ満開の状態。
桜の名所としても賑わい、約200本のソメイヨシノが咲き誇る公園です。

昨年春に、洗足池公園の樹木管理責任者である藤東造園建設の真田さんに出会い、桜の幹の治療に弊社の馬フン堆肥を使ってくれることになりました。

幹に大きな穴があいてしまい空洞になっている状態を一度はどこかで見かけた事があると思います。
洗足池公園ではその穴に馬糞堆肥とピートモスを詰め、同時に馬糞堆肥で土壌の改良(人が踏み入らないように柵がしてありました)も行い、治療を続けて1年が経った昨日。包帯を外して確認作業をする瞬間に同行させてもらいました。

穴を埋めた部分を掘り起こし、根っこが生えてきていれば一先ず安心…。

よく見ると細かな根が沢山出てきていますね!

これを間引き、太い根だけを残す「根っ子の整理」を毎年繰り返していきます。約20年の歳月をかけて最終的にこの穴から太く一本の根を根付かせることが目的の治療法なんだそう。

本来なら樹木は森林土壌の中でゆっくり生育される樹種であって、人間の都合によって移植され人工的に作られた厳しい立地環境で育っているのが街路樹や公園の樹木です。
「 公園を作る時に植物の成長した後まで考えて設計できなかった結果、上手く根っこが張れず樹勢が弱り倒木の恐れが増し結局伐採しなければならない。せっかく育った命を断つことになる 」
真田さんの話を聞いて悲しくなりました。
ただ、手遅れでない限り、治療したり土壌環境を改善すれば樹勢を強くできます。その一つの手段として堆肥が使われるのです。

最近では作物も自然界と同じ環境で育てる栽培方法が注目されていますよね。微生物やミミズ、小動物、菌類の力で土壌が作られていく理想の森林土壌の造成を目指すために、作物にも樹木にも堆肥(有機質肥料)が必要だということが実感できた瞬間でした。
一本でも多くの樹木が伐採されず、延命できる方法がどんどん浸透するようにできる事をしていきたいですね。

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